悪ノ化身 7

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「記憶がない?」

ヴァンが頷く。

「誰が?」

ヴィルヴァーレが指差す。

「俺が」「ヴァンが」

「・・・何の記憶がない?」

二度目の質問に今度は二人で頷いた。男はそのまま暫く目を大きく見開いたあと、三度目の同じ質問をしてヴィルヴァーレを呆れさせた。
それからの男の反応は目も当てられないくらい悲惨だった。
項垂れた背中から感じる悲壮感。あんぐりと開かれたままの口。
相当な衝撃を受けたのだろう。死んだのではないかというほど反応を返さなかった。無論、生きてはいるし、彼の口からは絶えず言葉が発せられていたのだが。その言葉も全てヴァンとヴィルヴァーレに向けられたものというより、自身の思考を垂れ流しにしている呟きのようなものだった。

「記憶が無い。本当か?嘘を吐いているんじゃないか?・・・そうだ、嘘だ、嘘に決まっている!いやだが・・・こんなところまできて・・・馬鹿な・・・・・。」

ヴァンの真っ直ぐな目を覗き込んで首を振り、ぶつぶつと呟く男のだらりと垂れた腕。ヴィルヴァーレは面倒くさそうに頭を掻いてヴァンを手招きした。すでに拘束の意味さえなしていない両足を身をよじりながらのけ、あっけなく男の下から這い出るヴァン。
男は混乱しきった男を眺めながら、二人は肩をすくめた。

「意気消沈って感じだな!それより大丈夫か?何も出来なくてすまなかった・・・。喉は?背中は?ああ・・・また手当てしないとな、これは酷いぞ。苦しかっただろう・・・。」

心配性の権化とはコイツか、とヴァンは苦しそうな顔を見つめ返す。
立ち上がったヴァンの怪我の具合を確かめるヴィルヴァーレはへらへらしているが、その目は笑えていなかった。相当心を痛めているのだろう。ヴァンは琥珀色の目をじっと見つめて、ヴィルヴァーレの心情を推し量った。

ヴァンとしては、どうしてそこまで自分を心配するのだろうかというところだが。自分だってヴィルヴァーレが誰かに首を絞められたりしていれば(全く持ってこの筋骨隆々とした大男がそれより大きい体格のものにのしかかられ首を折られそうになるところなど彼の脳では想像できなかったが)いい気分はしないだろう。

「もう平気だ。痛みがあるだけで死ぬわけじゃない。それにヴィルは止めてくれただろ。・・・・だからいいって言ってるだろ。そんな顔されてもどうしようもない。」

未だ引きずった様子のヴィルヴァーレにとりあえずデコピンを食らわせたヴァンは、いつも彼が浮かべている笑みを思い出して、真似てみる。
へらり、とはいかなかった。ぎぎぎ、という音が聞こえそうなほどぎこちなく、そしてあまりにも微かすぎる口角の上がり具合だ。直視するのが難しいほどいびつな笑み(?)は常人ならば笑っているようには全く見えないのだがそれでも相棒であるヴィルヴァーレには分かったらしい。

ヴィルヴァーレは後悔は消えないものの今度こそいつも通りに笑った。彼の笑顔が単なる真似事だと理解はしていても、他人を宥めよう、誰かを思いやろうと自発的に行動するその心持ちが嬉しかったのだ。笑い方は下手すぎたが、それについては何も言わずに首を振って笑った。

「それよりあいつ、本当にどうする?」

と、ここでようやくヴァンが男の方に話を戻す。
二人の間には穏やかな雰囲気が流れていたが、一方の男はそれとは正反対のまま、床に座り込んでいるのだ。
ヴァンは床に落とされた聖剣を手に取る。先ほど男を止めようとした際に咄嗟に放り投げたらしい。ぞんざいな扱いをされて床に転がっていたそれをじっと眺める。いつも腰のベルトにぶら下げ、3年間決して抜くことのなかったその大剣は傷一つない。ヴァンはそれを翻して、歌うように言葉を綴る。

「―そうして血塗られた歴史は始まった。偉大で、尊大で、高貴で、最も讃えるべき善の神ハイルと傲慢、悪逆、下劣、名さえ口にしてはならない邪神によって生み出された勇者と魔王の祝福と呪いは片方が生まれればもう片方も生まれるという宿命の元に与えられることになった。」

その一節は誰でも聞いたことがあるものだった。ヴィルヴァーレは垂れた耳をぴくぴくさせながら、なんてことがないような顔でヴァンを見下ろし、笑った。

「始まりの勇者エストと魔王デルニエ。それとも勇者エストとアサナトの引用か?」

「勇者エストと最も忌むべき悪の化身アサナト、だ。」

「こまかいなあ」

「子どもでも知ってるような話だ。魔王と勇者は一種の共存体だろ。魔王が復活したなら勇者も出ざるおえないはずだ。いつまでも手元に置いておかずにこの男に渡しておいたほうがいいんじゃないか。」

肩をすくめながらも、ヴァンは聖剣で項垂れる男を指し示す。
困ったことになったな、とヴィルヴァーレは自身の後ろ髪を撫で付けた。

ヴァンの言うことは誰も彼もが知っていることだ。伝承に記され、そしてこの世界の成り立ちからずっと繰り返されてきた魔王と勇者の戦いはそこら辺りで走り回っている幼子でさえ空で言える。

だが今回は今までのどの戦いとも違う。
何よりもまず、現れたのは新しい魔王ではなく前回倒されたはずの魔王。しかも肝心の勇者は消えた。一応、聖剣は勇者以外の誰しもが使えないわけではないのだが。
はたしてヴァンの言うとおり消えた勇者がひょっこり出てくるのだろうか。ヴィルヴァーレは純粋に前回の勇者が帰ってくると考えているヴァンにそのことは言わず、ジークを見る。

「渡すにしてもだ。勇者も殺すって者においそれと渡すのはどうかと思うぞ~?」

「この世の全てが阻もうとも、オレは勇者も魔王も殺す・・・!」

「そうか。なら持っていけ。」

「こらこらこら!」

会話は聞いていたのか床を見つめながらも声を絞り出した男に、あっさりと聖剣を渡そうとするのを慌てて止める。ヴィルヴァーレはそのあまりにも考えの無い行動を起こすヴァンに困ったように眉を下げながら、物事の重大さを気にしようとしないその手から聖剣を取り上げた。

「聖剣は勇者しか使えないんだって、ヴァンくん。聞いてるかね?この男じゃあ魔王は倒せないじゃないか。―あと、一応言っておくが前回の勇者がいないからって、この男が新しい勇者になる可能性はないぞ。」

勇者になるのは人間だけである。言外にそう告げたヴィルヴァーレに男の眉がぴくりと反応した。だが二人はそれに気づかないまま向かい合っている。
ヴァンは男がモンスターだったことを思い出して、ふむ、と腕組みをした。その肩を勢いよく掴む男。

「それより貴様だ!貴様ァ!ばかものが!何故忘れたのだ!!!そんな話があってたまるものかァッ!」

「覚えていないものはしかたないだろう。忘れた理由も思い出せないしどうしようもない。」

鬼の形相でヴァンの肩を掴んで揺さぶる男が吼える。やけくそのように叫びながら怒りを込めて揺さぶるものの、当の本人はぐわんぐわんと揺れながら悪びれも無く喋る。

「そういえばお前、名前は何ていうんだ。俺の名前はヴァン。この村で何でも屋をやっているんだが。」

「バカか貴様は!魔物に名などあるものか!」

「ちなみにお前が持っていた剣にはジークという文字が刻まれていたんだが、アレがお前の名前か。当たっているな?よろしく。」

「・・・・!!」

絶句する男―ジークの揺さぶる腕が止まったことをいいことに、ヴァンはその手からするりと抜け出してヴィルヴァーレの元に行った。掴まれた肩をパッパと払うヴィルヴァーレの表情は少し複雑そうだった。
相棒が完全にマイペースを貫いている。いつものことではあるが、いつもとは違う貫き方に不安を覚えた。ヴァンが聖剣を完全にジークに渡す算段であることを勘付いてしまったヴィルヴァーレの非難の視線に、しかしヴァンは一切取り合うことなく、聖剣を見つめる。

そのかたわら。今の今まで言葉を失っていたジークは、久しぶりに呼ばれた自分の名前と、魔物の名前など気にしたヴァンに思いっきり眉を顰めていた。いかにも理解が出来ないといったようだ。実際、ジークは理解できなかった。

並大抵の神経ならば魔物などひとくくりにして恐れるだろう。恐怖、畏怖、嫌悪、侮蔑、嘲笑、怒り―とにもかくにも負の感情を抱かれることしかない存在だ。

魔境に取り付かれた人間ならまだしも、相手はどうみても正常な人間。狂気も感じられない。
悪逆を尽くした己を見逃すといったことは、まともな神経をしていないとは思ったが。しかも一度殺されかけたのにも関わらず、平然と会話をしてくる始末だ。特に首を絞めたことに対する文句もなければ(彼の相棒はそうはいかなかったが)、反撃もしてこない。色々と行動がおかしい。

―記憶喪失。ものの道理も知らぬほど記憶を失っているのだろうか。

ジークは背後にいる二人を振り返った。子どものように聖剣の奪い合いをしている。かの憎い勇者もここまで私物をぞんざいに扱われるなど思わなかっただろう。身長を活かしてヴァンの手の届かないところにその黄金を持ち上げふらふらさせるヴィルヴァーレとその腕を下げさせようとしているヴァンに、ジークは顔をしかめた。

戦闘能力からしても、聖剣を持っていることからしても、勇者と無関係ではないことは確かだ。一目見たとき、この男は確実に自分が望む答えを持っていると思った。

今まで嘘偽りで繁栄を気づき、やれ先の大戦で勇者とともに戦っただとか、やれ勇者と親交があるからこの町は守られているとか、それならまだしも勇者の名を盾に大きな顔をして幅を利かせ、好き勝手に生きている薄汚れた人間、もしくはそれに扮した魔物としか出会ってこなかったジークは、やっとの手がかりに希望さえ覚えたのに。

喜んで手を伸ばした(実際には激情にかられ我を忘れ暴走の果てに、その希望さえ殺そうとしたことは置いておこう。)ところで、掴んでその感触を確かめかけたところで、一瞬にして霞のように消え去ってしまった。

虚偽ならば問答無用で殺してしまったが、いや殺そうとしたのだが。

二人は嘘を吐いていない。完全に彼の勘だが、冷静になった今ならわかる。嘘をついている者の目をしていない。―ヴァンの目は何を考えているかよくはわからないが。

ならば―これから先どうするのか。ジークは少しの間、険しい表情で黙り込んだあと、未だ聖剣を取り返せないヴァンに声をかける。

「貴様が記憶を失ったのはいつだ。」

「2年と11ヶ月と3週間前。約3年前だ。アルバムに記録してあるが見てみるか。」

「ちょうど奴らが戦い終わったあとか・・・。何か思い出したことは。」

飛んで聖剣を掴もうとするのを肩を抑えられて防がれながら、ヴァンはテーブルに置かれた鞄を指差したが、その中身が暴かれることはなかった。
それよりも気にかかることを問い詰め、彼の言葉を無視して話を進めるジーク。その様子にジークがこれから何を言おうとしているのか察したヴィルヴァーレが、勘弁してくれといった風に目を細めて笑う。

「なーんにも。青年よ、何もかも諦めたまえ。私とヴァンは2年ほど世界中を旅して回ったが、その間にヴァンが少しでも記憶を取り戻すこともなければ、君が望む勇者と出会うこともなかったんだぞ~。勿論、この村に来て1年経っても何一つとして思い出すことはない。・・・変なこと考える前に帰ってくれたまえ。」

「魔法や医療行為を試したことはあるのか。聖職者・・・フン、吐き気がするが・・・神の力を行使するやつらの祈りはうけたか?世界中の端から端まで回ったとでも言うのか?たった3年で何がわかる。」

「あっはっはっは!ヴァン、ほら見たことか、変なこと考え出したぞ彼。厄介なことになる前にさっさとお帰りいただこう!そらのいたのいた~」

退けと言いつつヴァンを自身の後ろに隠す。巨体の向こうに消えた黒髪に、だがジークは一歩も食い下がらない。先ほどまで意気消沈していたくせに燃え上がるような赤い目でヴァンを睨むその姿に、ヴィルヴァーレは不敵に口角を上げた。

「誰も彼もが探し回っても見つからなかった。君は絶対に勇者を見つけることはできんぞ。」

「だがオレは見つける!」

怯まずに叫んだジークの唇が、そして、と言葉を続ける。
笑みを引っ込めて苦々しくそれを見つめるヴィルヴァーレの、その後ろを指差した男がヴァンに向かって叫ぶ。雰囲気が変わった二人について行けず大人しく待機していたヴァンは、突然聞こえたけたたましい声にヴィルヴァーレの背中から顔を出した。

「思い出さなければ思い出させるまでだ!おい貴様、記憶を取り戻してやる。オレについてこい!」

ビッシィ!
その一突きで身体に穴があけられそうな勢いを持った人差し指がヴァンを示す。ヴァンは拒否を許さない表情のジークに目をしばたかせた。暫くの沈黙。
ギラギラとしたジークの目をしっかりと見たヴァンは、突きつけられた指先を見て、ただ一言だけ告げた。

「断る。」

考えるまでも無い。そういう風な表情ではっきりと断るヴァンに、ヴィルヴァーレはにっこり、ジークは口をあんぐりと開けた。

「な」

断られるとは思っていなかったのだろうか。ジークの指先がわなわなと震える。最早彼の性格をわかっていたヴィルヴァーレは、怒号が上がる前に口を開いた。
断る理由なんて沢山あった。というかこの男は、自身がどのように見られているのかわかっているのだろうか。

「なに、人にものを頼む態度とかそういうもの以前の問題だぞ。君には君の目的があるように、私たちには私たちの理由があり、営みがあり、生活がある。全てをなげうって君についていったとして、ヴァンに何かいいことがあるのか?何よりも、だが。うーん―ヴァンに記憶を取り戻すつもりがないんだなぁこれが!」

「はっ!?」

愕然としたジークにヴァンは頷く。ヴィルヴァーレは一呼吸おくと口は挟ませないという風に一気にまくし立てた。

「不都合なことも沢山あるぞ!君はヴァンを傷つけたしこれからも傷つけるだろう、いまだってそうだ。気に食わないことがあれば怒鳴る、思い通りにさせようとする、まるで子どものような君に私が快くいいぞ!よし連れてってくれたまえ!・・・なーんて言うと思うのかねまったく。いい加減にして欲しいなァ。」

「なら・・・何のために旅をしていた・・・」

「君にそれを言う必要があるのならば言ったが、そうじゃあないからな~!」

正論に正論を重ねた完全なる正論。
呆然とするジークに刺さるヴァンの当然だろうという眼差し。一つ一つ丁寧に言って欲しいならもっと言いたいことは沢山あるヴィルヴァーレを、動揺しながらも見返すジークはそれでも、と自分の目的を第一に返答する。

「だがそれがどうした!拒否は認めん、貴様は連れて行く。たとえ手足をもごうとな!生きていればどうとでもなる!」

「ヴァン、こういう輩のいうことは絶対に聞いちゃだめだぞ。それから、それを聞いて尚更いってらっしゃいなんて言えないぞ!ほんと乱暴だなァ君は!」

「手足をもいだ場合、俺の生命を維持するために食事、排泄、睡眠その他全ての面倒を見れるようには見えないな。実際俺の手足をもいだとしてまともに旅はできるのか?」

口を開いたヴァンの目に映ったのはまるで出来の悪い手のかかる子どもを見るような生暖かい笑顔と、真っ向から馬鹿がと書かれた顔だった。

「すまんこういう子なんだ!君みたいな切れやすいタイプにはまともに会話できんだろうそうだろう!諦めたまえ!」

「流石に俺も手足をもがれたら困るしな、これやるからヴィルのいう通り帰れ。」

あ!とヴィルヴァーレが声を上げたときには、ヴァンはその手から聖剣を奪ってジークに押し付けた後だった。胸元に押し付けられた聖剣を咄嗟に受け取ったジークの赤い目をヴァンは真っ直ぐ見つめる。そして未だ諦めた雰囲気はないその気力を一気に殺ぐ言葉を告げた。

「他に理由が必要なら答えよう。命が惜しい。魔王が復活しようがどうでもいい。勇者が死のうが世界がどうなろうが俺は自分に被害がなければどうでもいい。お前が人殺しであることもどうでもいい。お前が何を言おうと俺の感情が揺さぶられることはない。」

おおよそ、何でも屋とうたって人助けをしている男の発言ではなかった。

「全部興味もなければ、顔も名も知らないものが死んだってどうでもいいだろ。」

口元をゆがめて笑いかける、その酷く歪んだ目にジークの顔色が変わる。雰囲気が変わった。肌をぴりぴりと刺す殺気に包まれながらも、ヴィルヴァーレはただ無言でヴァンの言葉を聞いていた。

「俺が人を殺さないのはな、ヴィルがそれを望まないからだ。俺が人を助けるのもそうだ。お前を殺さないのもそう。まあ、お前がそこまで言うならついて言ってもいいが、」

ジークが唸る。打って変わって饒舌になったヴァンの口が更に歪んだ。ぺらぺらと出てくる言葉を否定も肯定もせずに眼を細めながら相棒が見守る中、ジークは今すぐに目の前の男を殺してしまいたくなった。

「黙れ・・・・」

「なんだ、正直ヴィルが駄目駄目言うからお前についていって人を殺すってことを体験してみてもよかったんだけどな。記憶があるうちじゃ人なんて殺したことないし、お前、こいつのようにお人よしってたちじゃないだろ。」

「黙れ!!」

「それにそれで記憶が戻るかも―ッ!」

ガツン!

かき消される続きの言葉。続いた破裂音。顔を上げたヴァンの口端から血が垂れる。ジークの拳がヴァンの右頬を殴りつけたのだ。思い切り殴られ、よろめいた足を戻そうとしたヴァンはそれでも笑った。
自身を殴ったジークの顔を見てにやり。ジークはその頬を勢いよく掴むと、膨れ上がっていく怒りを吐き出した。

「もういい。べらべらと薄汚い口を開くな。―貴様のような屑が息をするだけで気分が悪くなる。」

乱暴に突き放されたヴァンの肩をヴィルヴァーレが支えた頃には、ジークは聖剣を手に玄関へと向かっていった。ちらりと二人を一瞥したその目は侮蔑と怒りに塗れ、寧ろよく我を忘れずにいられたなと感心したくなるほどの憎悪を燃え上がらせ、光っている。

「最初に言ったことは守る、殺しはしない。いや・・・貴様など相手にするだけで我が剣が腐る。聖剣は貰った。これさえあればどうでもいい。」

「・・・ふっ。どうだかな。」

「黙れといったのが分からなかったか?二度は言わんぞ。オレは行く。・・・だが、忠告しておこう!いつまでも他人事だと尻尾を巻いて逃げていられはしない。魔王は蘇った。」

愉快そうに息を漏らしたヴァンを貫く赤。はたからみても分かるほど力を込めて聖剣の柄を握り締め、怒気をはらませた低い声で、男はその場を後にする。

「終焉はすぐそこだ。」

 

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