「小説」 一覧

悪ノ化身 第一章 01

「貴様は頭がおかしい!」 「頭は記憶喪失ということ以外、正常だが、どうしてそんなことを言うんだ。」 「頭がおかしいからだ!」 ジークは近場にあった木の幹を殴りつ ...

悪ノ化身 10

肉を焼く臭いがする。 腹はすかない。皮脂が焼け焦げ、巻き上げられた粉塵に乗って肌がべたつくだけのその臭いが運ぶのは悲しみだけだった。 無数の穴が村の片隅に陳列す ...

悪ノ化身 9

「ジェメリ!!」 逃げ惑う村人がその肩にぶつかったとき、我に返ったジェミオスが我を忘れて店へと戻っていく。瞬間、動き出す景色にヴァンは瞬き一つ。 「ヴァン、走る ...

悪ノ化身 8

男が去った後。 猪にでも追突されたふうに外の柵が壊された民家と、その正面でものの見事に入り口が損壊している酒場-アレグリア-を窓から見下ろすヴァン。 窓辺にある ...

悪ノ化身 7

「記憶がない?」 ヴァンが頷く。 「誰が?」 ヴィルヴァーレが指差す。 「俺が」「ヴァンが」 「・・・何の記憶がない?」 二度目の質問に今度は二人で頷いた。男は ...

悪ノ化身 6

人間ならば殺さない。ならばモンスターの場合は? 苛立った男に、果たして二人はどう反応をするのか。吼えられたヴァン、そしてその後ろで行く末を見守っていたヴィルヴァ ...

悪ノ化身 5

誰かの罵倒が聞こえる。憎くてたまらない声がする。 男はゆっくりと顔を上げて周りを見渡した。ここはどこだろう。 暗い牢獄の中。じめじめと湿った空気。カビ臭くてたま ...

悪ノ化身 4

騒然とした場ですぐさま双子が動く。 戸惑いどよめく客に向かって「逃げろ!」と大声を張り上げ、店の裏口をあけて避難を促した。その瞬間、黒い男が一歩足を踏み出す。ギ ...

悪ノ化身 3

食器の山。山。山。項垂れたヴィルヴァーレ。そしてまた食器の山。 連なる食器山脈にヴィルヴァーレは前髪をぐしゃぐしゃと掻いた。食事を終え、優雅に水を飲み、机の総面 ...

悪ノ化身 2

北には連なる山脈、東には人の営みが伺える街、南には砂丘のある海、西には未開の大地。 そんなアルド大陸の北と東のちょうど間に位置するところに、彼ら―ヴァンとヴィル ...

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